カウンセラーがブログを書くということ
ブログを開設することになりました。
これを読んで下さる方のなかには、これからカウンセリングを受けようと考えていらっしゃる方がいるかも知れません。
想像できないもの、イメージできないものって、怖いですよね。分からないからこそ飛び込めることもありますが、少しでもイメージできると安心して進めることの方が多いのではないかと思います。
そして、多くの方にとってカウンセリングは未知の世界ではないかと思います。そんな方のために、少しでもカウンセリングの雰囲気、カウンセラーの視点などが伝われば幸いです。
一方、ブログを書くことには今も躊躇があります。自分のこの躊躇する気持ちが何処から来るのかをみてみると、カウンセラーの自己開示にかかわる懸念から生じているのが分かります。
私は精神分析医ではありませんが、精神分析の創始者フロイトは「匿名性の原則」を唱えていました。
それは、「分析家とはクライエントの心を映し出す鏡のような透明な存在であるべきで、分析家のプライベートな情報や私的な見解をクライエントに伝えるのは控えるべきである」、という考えです。
こうした古典的理論は議論がすすみ変わってきてはいますが、やはり原則的には、カウンセラーの自己開示はクライエントにとって役に立つ限りにおいて必要最小限にとどめる方が良いと個人的には思っています。
自分自身のカウンセリング体験を振り返っても、カウンセラーの個人的情報・背景について何も知らない時と、知ってしまった後では、話す内容が微妙に変わってしまった経験があります。知ってしまうと遠慮して言えなくなること、知らないから言えることがあることを実感しました。
(そこには、私自身の対人関係のパターンが現れていて、そうした「言い辛さ」を話し合っていければ、それはとても有意義なものになるのですが、「言い辛い」ということが言えるような信頼関係を築くまでには時間がかかります。)
ちなみに、こうしたクライエントとカウンセラーの間に生じる感情は、カウンセリングにおいてとても大事なもので、私自身も、こうした微妙な感情を、適切なタイミングで丁寧に取り上げていくことを心がけています。もちろん見逃してしまうこともあるのですが、鍵となる大事な感情は何度でも現れてくるものです。
一方で、様々なカウンセリングのアプローチがあるなかで、自分はどんな立場に立っているのか、どんな人間観、世界観をもちカウンセリングを行っているのかということを明らかにしていくのは、カウンセラーの側の課題であるとも思っています。
そんなわけで、このブログでは自己開示については慎重に、カウンセリングや心理学、ホリスティックヘルス、スピリチュアリティにまつわることを、のんびりと綴っていきたいと思っています。
これから、どうぞ宜しくお願い致します。