Helix Centre|東京・三鷹市・武蔵野市のカウンセリングルーム

Helix Centreでは三鷹・武蔵野市周辺の18歳以上の方を対象に、臨床経験豊富な女性臨床心理士がカウセリングを行っています。

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アルテミス・ウーマン

鹿

神話の役割

 

元型心理学の創始者であるジェイムス・ヒルマンは、

 

神話について次のように言っています。

 

「神話の研究は、出来事がそれの神話的な背景に照らして認識されることを可能にする。

 

しかしながら、それよりも重要なことは、神話の研究によって、

 

魂の生活を神話的に知覚し経験することが可能になることである。」

 

そのクライエントさんは、ドイツ人の女性でした。

 

(ご本人の承諾を得て、個人情報は伏せた上で書いています)

 

彼女は、幼少期からとてもボーイッシュで、自立心旺盛な子どもでした。

 

男性に対して強い競争心怒りを持っていて、

 

女性を見下したり、単なる性的な存在として扱うような男性には、

 

烈火のごとく怒りをあらわしていました。

 

自分の人生における目標が明確で、

 

その目標に向けて次々に行動を起こしていきます。

 

物事を計画し、コントロールしないといられないところもありました。

 

彼女の悩みは、男性含め人と親密な関係を持てないということでした。

 

近くにいる人ほど、冷たく、嫌な対応をしてしまうのでした。

 

アルテミスとアクタイオーン

 

そんな彼女の魂の生活の背後には、処女神アルテミスがいました。

 

アルテミスは、ギリシャ神話に登場する処女神で、

 

狩猟を司る女神でもありますから、

 

狙った獲物は逃さず仕留めていきます。

 

森のなかの泉で水浴しているところを、

 

たまたま通りかかったアクタイオーンに見られたアルテミスは怒り狂い、

 

アクタイオーンを鹿の姿に変えてしまい、

 

彼が連れていた犬に襲わせて殺してしまいます。

 

そんなアルテミスと同様に、

 

アルテミス・ウーマンもまた、

 

自分の弱い面、素顔を見られることを恐れ

 

彼女のこころの柔らかいところに踏み込んで来る者には、

 

怒りという形で追いやらずにはいられませんでした。

 

そのクライエントさんは、長い時間をかけて

 

彼女のなかにいる「内なる少女」に出会っていきました。

 

その少女こそ、アルテミスが守っていた存在です。

 

アルテミス・ウーマンは、

 

自分もまた人を必要としていることを認識することで、

 

変わっていきます。

 

2019年01月29日 17:28

”ブログは知っている”

ブログを開設しました、と前回書いたのですが、実はこれからどんなことを書いていくのか、あまり見通しがありません。

 

こんな時、ユング派の分析家であり、元型心理学の創始者でもあるジェイムス・ヒルマンが、あるインタビューの中で言っていた言葉を思い出します。

 

ヒルマンは、今日のこのインタビューの中で何が話されるべきなのかを、質問するインタビュアーも自分自身も分からない、けれど、”The interview knows”(インタビューは知っている)、というようなことを言いました。

 

この感覚は、カウンセリングのセッションを行うときに抱く感じと似ています。あるクライエントさんと、あるセッションが始まる時に、そのセッションで「何が起こるべきなのか」を、クライエントさんも知らないし、私にも分かりません。どこに向かっているのかは、セッションがすすむなかで、だんだんと潜在していた大事なテーマがハッキリしてくるのです。(こんなことを言うと無責任で無計画に聞こえるかも知れませんが、そういう訳ではないのです)

 

もちろん、カウセリングのプロセスの各段階で向き合う必要があるとカウンセラーが感じているテーマなどもありますし、クライエントさんの側でもその時々で話したいイベントやテーマを持ってこられることはありますので、そんな時はそうしたものを大事にします。

 

けれど、多くの場合、事前に計画した通りのことは起こりませんし、カウンセラーが理論や頭のなかの「こう進むべき」を考えて、それに従ってしまうと、あまりいいことは起こらないというのが実感です。もちろん、経験知や知識・理論もとても重要で、知識や経験からの仮説を立て、それを頭の片隅にもちつつも、それよりも大事にすることがあるということなのです。

 

では、何を大事にするかというと、クライエントさんの話し、セッションの中で時折出てくる深いところからの微かなサインです。それは、身体感覚として現れるときもあれば、イメージ・シンボルといった形で現れることもあります。

 

クライエントさんは、「今日は違う話しをするつもりで来たのに、まさかこんな話しになるなんて思いもしなかった」と驚かれますが、もちろんそれは私が誘導したわけでもなく、慎重にそのセッションの中に存在しているそうした微かなサインを辿っていくと、思いがけない場所に辿り着くのです。

 

それはまさに「何が起こるべきなのか、セッションは知っている」という感じであり、それに対する信頼を持ち、そのサインに耳を傾ける姿勢を持つことが重要だと思っています。これは、別の言い方をすると、「サイキ(魂)への信頼」と言えるかも知れません。

 

アインシュタインの名言に「いかなる問題も、それを作り出した同じ意識によって解決することはできない」という言葉がありますが、これは心にも当てはまることではないかと思います。

 

ではいまの自分の意識から、より深い意識にどうアクセスするか。その鍵となるのが、この魂への信頼です。

 

ユングは、私たちの中にサイキ(魂)があるのではなく、私たちが魂の中にあるのだ、と表現しました。このサイキは、別の言葉で言うとアニマ・ムンディ(世界魂)です。私たちは、大いなる魂のうちに存在しているのです。

 

自分の小さな知識に頼るのではなく、より大いなる叡智に耳を傾けることの重要性は、恐らく多くのプロフェッショナルが実感していることではないでしょうか。

 

知り合いのロルファー(ボディーワークの一種です)の方は、手をクライエントの筋肉の上に置いたときに、施術者である自分がどちらに動かしたいかではなく、その人の筋肉がどこに動きたがっているのかを感じ取って、その方向に進めるようにちょっとだけサポートすることが自分の役割だとおっしゃっていました。そこには身体知というより大きな叡智への信頼があります。

 

カウンセラーの役割も似ているところがあります。その人の心の深いところ、つまりその人のたましいが、どこへ向かおうとしているのかを、全身を耳にして必死に聴き取り、少しだけそれをサポートする。それは、簡単なことではありませんが、そんな風に深いところでクライエントさんと対話ができることを願いながら、精進する日々です。

 

そんな訳で、これからこのブログで何を書く必要があるのか、“The blog knows”(ブログは知っている)の感覚のなかでやっていこうと思います。

2018年12月04日 16:43

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