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*5月1日、5月8日は緊急事態宣言発令のため中止致します。

*新型コロナウイルスの感染状況により、止むを得ず会を中止する場合にはメールでご連絡を致します。

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ヨガのポーズとリラックスを繰り返すゆったりとしたヨガは、カラダの緊張をほぐして血流を促進し、自律神経を整え、呼吸を深めてくれます。

 

シンギングボウルの倍音には、自然界に多く存在する1/f 揺らぎの特性があると言われ、その音を聴くことで、まるで自然の中にいるような心地良い体験が得られストレス解消に役立ちます。

 

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◉新型コロナウイルス感染症対策について

安心してご受講頂ける環境作りを強化しております。

会場へのご来場時に以下のご協力をお願いしております為、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
 

◆以下の項目に該当する方は、申し訳ございませんが参加をお控えください。
 

*咳やくしゃみなど風邪の症状が続いている方(軽い症状の方も含む)

*過去 48 時間以内に熱があった方。

*強いだるさ(倦怠感)や息苦しさがある方。

*咳、痰、胸部不快感のある方。

*味覚・嗅覚に少しでも違和感のある方。

*新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある方。

*過去 14 日以内に、政府から入国制限、入国後の観察期間を必要と発表されている国・地域等への渡航、並びに当該在住者との濃厚接触がある方。

*身内や身近な接触者に上記の症状がみられる方、該当する点がある方


 


 

2021年04月08日 13:00

瞑想のススメ

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瞑想がなぜ必要?

 

私たち現代人は、絶え間ない外的な刺激にさらされています。

 

目から入ってくる様々な情報、物騒なサイレンやテレビやPCからのノイズ、携帯の着信音、数えたらキリがありません。

 

そうした刺激にさらされる度に、私たちの神経システムが反応し、常に活性化された状態にあります。

 

また私たちの心の内側でも、絶え間なく思考がさまよい、感情が乱れ、落ち着くヒマはありません。

 

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身体的な健康のレベルで言えば、刺激を受けるたびに私たちの交感神経は刺激されて、神経が逆立ちエネルギーを浪費しています。

 

副交感神経が優位なリラックスした状態がカラダや細胞の回復・成長モードだとしたら、交感神経優位の緊張状態では細胞は常にアクティブになり、回復・成長モードに入れない状態です。
 


瞑想によって神経が鎮まり、内面が平静になることで、ようやく細胞は回復の機会を与えられます。

 

また、精神的な側面・スピリチュアルな側面からは、常に意識が外を向いて、何かにとらわれていたり、心の表面に思考や感情のさざ波が立っている状態では、私たちの存在の本質を見る機会もありませんし、見ることも出来ません。

 

湖面が静かになり、まるで鏡のようにクリアになることで、その底にあるものが見えてくるのです。

そのマインドの湖面を静めて、底にあるものを見る手助けをしてくれるのが瞑想です。


そこで今回は、瞑想のメリットとそのやり方を詳しくご紹介します。

 

瞑想から得られるもの

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瞑想とは、意識のコントロールです。

 

内的そして外的な意識の集中をしていくことで、感覚や感情を静めて、神経や精神の苛立ちをコントロールしていくことができます。

 

数万時間に及ぶ瞑想の修行を積んだチベット仏教僧の脳波を解析した研究では、修行に費やした時間に比例してガンマ波という脳波が増加することが分かりました。ガンマ波は、強く集中している際に現れる高い周波数の脳波です。

 

また、前回のブログでも触れたように、僧たちの前頭前野は、より密度が濃くなり、別の脳の部位とのネットワークも強くなっていました。

 

特に、感情の働きに関わる扁桃体と前頭前野の結びつきが強くなっており、瞑想修行を積めば積むほど、感情をコントロールする能力が高まっていることが示唆されました。

 

瞑想には、臨床的にもストレス軽減の効果痛みを和らげる効果うつ病の再発率を低下させる効果などもあることがわかってきています。

 

イギリスで2000年頃からうつ病の治療に応用されたマインドフルネス認知療法という瞑想を取り入れた療法が、日本でもようやく心理臨床の場で取り入れられるようになってきました。

 

2つの瞑想のタイプ

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さて、瞑想の効果やメリットについて説明してきましたが、瞑想は体験です。

 

それは生まれつき目が見えない方に「色」について伝えることができないように、体験するしかないものなのです。

今回は様々な瞑想法の中から、集中瞑想(サマタ瞑想)観察瞑想(ヴィパッサナー瞑想)の二つの簡単なやり方をご紹介しますので是非、実践してみてください。

 

瞑想の種類 方法

集中瞑想

Focussed Attention

対象となる物、イメージ、考え、マントラ、チャクラ、感情などに意識を集中(フォーカス)する

観察瞑想

Open Monitoring

自分の呼吸や、考え、欲求、カラダの感覚などをひたすら気づいて観察(モニタリング)する

 

 

集中瞑想(サマタ瞑想)

 

瞑想の基本は意識の向ける先をコントロールすることです。コントロールとは、集中でもありますので、ある程度の集中力は観察瞑想にも必要です。
 

 

そこで、まず最初に集中瞑想を少し練習してみましょう。


 

1. 呼吸にフォーカスする

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①眠くなってしまわないように背中は真っ直ぐな状態でリラックスして目を閉じて座ります手は太ももの上に置いておくか、おへその前あたりで手の平を上にして重ねて置いておきます。


 

②ゆったりとした呼吸をしながら、呼吸と共に胸やお腹が膨らんだり萎んだりする感覚、鼻から空気が出入りする時の感覚や音などに意識を向けます。

 


③続けていると、だんだんと意識が別のところに向いて行ってしまうので、意識が散漫になったことに気づいて、また呼吸に意識を向け直す、ということを繰り返します。

 


最初は、2~3分から始めて、少しずつ慣れてきたら5分、10分、15分、20分と時間を長くしていきます。


 

2. キャンドルにフォーカスする

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今度は、外にあるモノに意識を集中していく方法です。

①目の前でキャンドルを灯したら、基本の姿勢を取り、キャンドルをひたすらじっと見つめます。

 

②しばらくしたら、目を閉じて、そのキャンドルを心の中でイメージしていき、心の目で見続けます。

 

③こちらも、続けていると意識が散漫になるので、それに気づいて、またキャンドルに意識を向け直す、ということを繰り返します。

 

こちらも短い時間から始めて、少しずつ時間を長くしていきましょう。

 

 

観察瞑想(ヴィパッサナー瞑想)


先ほどご紹介したマインドフルネス瞑想も、この観察瞑想の一つになります。

こちらは、集中ではなくプロセスに意識を向けていくものです。
 

ボーッとリラックスしているような時でも、しっかりと頭の中に生じていることを観察してみると、実は色々なことを考えていたり、おぼろげな記憶の断片的なイメージが浮かんでいたり、「足を動かしたい」「額をかきたい」と言った様々な欲求が浮かんでいたり、内臓や皮膚の様々な感覚が生じていることに気づきます。

 

こうしたとりとめのない、浮かんでは消えていく様々な感覚、思考、イメージといったものに、気づきを向けて、ひたすらモニタリングするのが観察瞑想です。

 

ポイントは、私たちは何かを感じたり、考えたりすると、それに対して「こんな風に考えるのはダメだ」と批判したり良い・悪いの判断をしがちですが、それにも気づいて、「今、◯◯はダメだという考えが浮かんでいたな」と観察することです。

 

生じていることに評価を下すのではなくありのままに観察していきます。


それでは、具体的なやり方です。
 

①基本の姿勢になる

集中瞑想と同様に、眠くなってしまわないように背中は真っ直ぐな状態でリラックスして目を閉じて座ります手は太ももの上に置いておくか、おへその前あたりで手の平を上にして重ねて置いておきます。
 

②呼吸に意識を向ける

先ほどと同様に、呼吸に意識を向けて息を吸ったり吐いたりするプロセスに気づきます。腹式呼吸で息を吸うときのお腹の膨らみと、息を吐くときに萎んでいく感覚に気づきます。
 

③頭に浮かぶ様々な考えをラベリングする

そうして呼吸に意識を向けていると、様々な雑念や、痛みやかゆみとなどのカラダの感覚が気になって来ることがあります。それが出てきたら「頬のかゆみ」「脚の痛み」とラベリングしていきます。出来れば、そうしたカラダの感覚に応じて頬をかいてしまったり、脚を動かしてしまうのではなく、放って置くとそれらは消えてしまうことがありますので、ただ観察してみることが出来るかも試してみましょう。

また、何か未来についてのモヤモヤが出てきたら「不安」とラベリングし、過去についての苦しい記憶が出てきたら「後悔」とラベリングするなど、内面的な雑念にもラベリングをしていきます。
 

④呼吸に意識を戻してあるがままに受け入れる

ラベリングをしたら、それについて良い・悪いの判断を下したり、入り込んだり無理に消し去ろうとすることなく、ありのままに受け入れてみます。このとき、呼吸とお腹の動きに意識を集中させるのがコツです。
 


こちらも集中瞑想と同様に、5分くらいから始めて少しずつ時間を延ばしていきましょう。
 

 

只管打坐 思惑や欲に囚われず、ただひたすらに坐る

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瞑想という習慣を身につけるために、アクションを起こすにはモチベーションが必要です。

 

そのためには、様々な瞑想のメリットを知っておくことは、大きな動機付けになることと思います。

 

けれど、一旦瞑想を始めたら、そうした「何かを求めて瞑想をする」態度は、逆に瞑想の妨げになってしまいます。

瞑想を始めても、初めは何も感じないでしょう。1週間、2週間たっても何の変化も起きないかも知れません。1ヶ月、2ヶ月たっても、カラダの不調も良くならず、心の平安も感じないかも知れません。

「これをしたら◯◯が得られる」という気持ちが強くなりすぎると、直ぐにそれが得られなかったらガッカリしてしまいますし、やる気も失くしてしまうことがあります。

そんな時こそ、道元の「只管打坐(しかんたざ)」という言葉を思い出してください。

 

意味は、ただひたすらに坐ること。


 

道元は、座禅をすること、それ自体が悟りである、と言っています。


成果や結果に執着しない、というのはヴェーダやヨガ、仏教や禅など東洋的宗教の偉大な教えです。


長い目でみてやる必要があることを淡々とやること、それが前頭前野の働きを活性化して意志の力を強化してくれる一番シンプルな方法かも知れません。

 

2020年05月24日 13:00

食べ過ぎのセルフコントロール

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家で過ごす時間が長くなると、ついダラダラと食べ過ぎてしまいますよね。

 

また、ストレスがたまり、食べることが気晴らしや楽しみになっている方も多いと思います。

 

もちろん、こんな状況の中では、そうした気晴らしや楽しみも大事ですが、

過食は腸内環境を荒らし免疫力の低下に繋がる可能性もありますし、

自己嫌悪を感じたり、気持ちも落ち込んでしまいます。

 

そこで今回は、食べ過ぎをなんとかしたいと思っている方のために、そのポイントを心理学の研究からご紹介します。

 

 

必要なのは「強い意志」ではない!?

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「やりたい事をやる」「やりたくない事をやらない」と言うのは、「意志の力」によるものです。

 

食べ過ぎのコントロールでは、「適度に食べる」と言う「やりたい事をやる」、「食べ過ぎてしまう」と言う「やりたくない事をやらない」ための「意志の力」が必要です。

 

でも、「意志の力」と聞くと、ただひたすら我慢する事をイメージしませんか?それは辛いですよね。

 

今回ご紹介する「意志の力」は、そうではありません。

 

私が研究しているサイコシンセシスの創設者であるロベルト・アサジオリは、

 

当時の精神医学、心理学においては全く研究対象となっていなかった「意志」の重要性にいち早く気づき研究した精神科医です。

 

アサジオリは、「意志」には「ただひたすら我慢する」ような「強い意志」だけでなく、

「巧みな意志」と言うものがあるのだと主張しました。

「強い意志」が逆流の川でも負けずに必死に船を漕ぐことだとしたら、

川の流れの方向を理解し、その力を利用して船を漕ごうとするのが「巧みな意志」です。

 

今回ご紹介する食べ過ぎないために使う「意志の力」は、現代心理学の研究成果ですが、

 

これらはアサジオリが指摘した「巧みな意志」に通じるセルフコントロールの方法です。

 

食べ過ぎてしまうのはストレスによる不快感から逃げるため

 

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さて、つい食べ過ぎてしまう時、何となく口さみしくてダラダラと食べてしまうとき、

 

本当にお腹が空いているでしょうか?

 

冒頭で、「ストレスがたまり、食べることが気晴らしや楽しみになっている」と書きましたが、

 

食べ過ぎてしまう時は、お腹が空いたから食べているのではなく、

 

ストレスの解消のために食べてしまっている事の方が多いのではないかと思います。

 

では、ストレス解消って何をしているのでしょう。

 

ストレスを感じると、不安や焦り、モヤモヤ、苛立ち、虚しさといった不愉快な感情を感じ、


それはカラダの不快感を生じさせます。

 

不愉快な感情から逃げるのは逆効果

ストレスを感じた時の、不愉快な感情、カラダの不快感は耐え難いものですよね。

 

けれど、実は多くの人はそれをじっくり感じたことは無いのではないかと思います。

 

不愉快であったり、不快であるために、つい気を紛らわそうとしたり、

 

忘れるためにあれこれしてみたりしてはいませんか?

 

その一つが、食べることではないかと思います。


私たちは、食べることでそれを和らげ、飲み込んでいるのです。


つまりストレスによる食べ過ぎとは、この不快感から逃れるためのものなのです。

 

ところが、心理学の研究が教えてくれるのは、

 

「不愉快な感情から逃げるのは逆効果」ということです。

これが続くと、ストレス→不快感→食べる→不快感が解消されるという一連の負のパターンが出来てしまい、

ストレスを感じるたびに食べたくなってしまいます。

 

受け入れて寄り添う

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気を紛らわしたり、感じないフリをするのではなく、

 

「受け入れて寄り添うこと」にすごいパワーがあるのです。

 

では、具体的にはどうするかというと、

 

まず、自分が感じていること、考えていることを意識化します。

 

もし、「もうちょっと何か食べたいな」と感じているとしたら、

 

それがどんな感覚なのか、カラダの何処にあるのか意識するのです。

 

あるいは、イライラしていたり、不安な気持ちがあるのであれば、

 

今自分は、どんな風にそれを感じているのかを探ってみます

 

さて、この次が重要です。深呼吸をします。

 

不快感や不愉快な感情を感じているところに、息を吹き込むように

 

深呼吸を何度か繰り返しましょう。

 

自分の感情やカラダの感覚に気付きながら呼吸をして、

 

さらに意識を広げて自分が本当にやりたいことを意識します。

 

もしキープしたい体重があれば、それを思い出しても良いし、

 

「適度に食べて胃腸の状態を整えて健康を保つ」でも、

 

「過食しない事で生活習慣病を防いで元気に動ける時間を出来るだけ伸ばす」でも、自分の目標を思い出します。

 

 

衝動の波のやり過ごし方を習得する

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さて、もう一つストレス→不快感→食べるという一連の負のパターンを断ち切る、

 

重要なポイントがあります。

 

それは、「衝動をやり過ごす方法」を身につけることです。

 

食べ過ぎてしまうのは、もちろん不快な感情から逃れたい気持ちもありますが、

 

甘いものや中毒性のあるスナックなどを食べる事で脳が得る、

 

目の前の「快」の感覚を求める衝動もありますよね。

 

食べ過ぎを防ぐために重要なのは、この「衝動」はいずれ消えることを理解することです。

 

食べたい衝動とは少し違いますが、例えばカァーッと頭に血がのぼるような

 

「衝動的な怒り」は、どのくらい続くと思いますか?

 

たったの6秒です。

 

このカァーッと頭に血がのぼるのはカラダ中をアドレナリンが駆け巡るからですが、

 

このアドレナリンがカラダから抜けるまでの時間が6秒です。

 

つまり、1、2、3、4、5、6とカウントダウンしながら待てば、

 

衝動的な怒りの波は落ち着いていきます。

 

同様に、「食べたい」という衝動も、少し待てば消えていくのです。

 

そしてもう一つ心に留めておいて欲しいのは、

あなたは「欲求」でも「感情」でもない」、ということと、

 

すべての「欲求」や「感情」に対応しなくても良い、ということです。

 

それらは、波のようにあなたのところにやってきては消えていくということを意識してみてください。

 

では、具体的に衝動のやり過ごし方を見てみます。

 

まず、最初のところで見たように、食べたいという衝動の波に襲われた時の身体的な感覚、その不快感に意識を向けます

 

そして、その不快感を受け入れ、寄り添います

 

ゆっくり呼吸をしながら、「この感覚を受け入れることができるし、辛抱すれば消えていく」「波のようにピークを超えれば必ず落ちついていく」と意識します。

 

こうして「衝動をやり過ごす」ことを繰り返していくうちに、

 

ストレスを感じるから食べ過ぎてしまう、という連鎖は断ち切ることができるのです。


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最後になりますが、それでも食べてしまうことはあると思います。人間ですから

 

その時には、反省したり罪悪感を感じる必要はまったくありません

反省したり、自分を罰することで意志を強くできると考えてしまう方もいるかも知れませんが、

実はこれもまったく逆効果です。

 

意外かもしれませんが、「意志の力」は罪悪感を感じるほど、自分を責めるほどに弱まってしまうのです。

 

もしそうした自責の気持ちや、罪悪感、自己嫌悪が出てきたら、

 

そうした気持ちにも気づいて、受け入れて寄り添ってあげてください。

 

食べてしまったら、自分を責める代わりに、

 

「そんな時もあるよね」と自分に共感し、

 

「次、また試してみよう」励ましてあげてみてください。

 

 

 

 

2020年05月08日 17:27

コロナ自粛による生活リズムの乱れをリセット

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長引く自粛生活と慣れない在宅勤務で、生活リズムが乱れてしまっている方も多いのではないかと思います。

 

また、緊張と不安が続く毎日で、夜に寝つきが悪くなったり、朝なかなか起きられず、中には、昼夜逆転してしまっている方もいらっしゃるかも知れません。

 

こうした、生活リズムの乱れ、不安や緊張の高まり、睡眠サイクルの乱れは、自律神経の乱れに繋がることがあります。

 

もし、なんとなく身体が重い、だるい、頭が重くてスッキリしない、気持ちが落ち込むといった体験をされいる方がいたら、それは、こうした生活リズムの乱れによる「自律神経の乱れ」が原因となっているかも知れません。

 

「コロナ鬱」という言葉も聞こえてくるようになりましたが、自律神経の乱れが続くと、抑うつ状態になるリスクも増えます。それは、免疫低下にも繋がりかねません。

 

(もちろん、数日から数週間、生活リズムが乱れたからといって、すぐに病気になるわけではなく、その状態が1ヶ月、2ヶ月と続いてしまうことが問題なので過度に不安になる必要はありません。)

 

そこで、ここで視点を切り替えて、「どうしたらそれを防げるか」「体調を整えて毎日を元気に過ごすにはどうしたら良いか」に焦点を当てましょう。

メリハリ(活動とリラックス)が大事


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私たちが普段、意識しなくても呼吸したり、心臓が動いたり、食べたものを消化したり、汗をかいて体温調節が出来ているのは、すべて自律神経のおかげです。

 

私たちの身体にはたくさんの神経がありますが、その中でも内臓の働きを調整して、体温、血圧、心拍、呼吸、発汗、胃腸の運動などをコントロールしてくれているのが自律神経です。

 

そしてこの自律神経は、昼間の活動している時に優位になる「交感神経」と、夜にリラックスしている時に活発になる「副交感神経」の2つが、バランスよく働いてくれることで、心と体の調子が整うのです。

 

つまり、自律神経を整えて、頭がスッキリ、体も軽く、気分良く過ごすには、この「活動・適度な緊張」と「休息・リラックス」のメリハリを作ることが重要です。

 

出来るだけ昼間は身体や頭を動かして活動し、夕方以降はリラックスしてのんびり過ごす、というサイクルができると自律神経は整いやすくなります。

 

体内時計は24時間じゃない

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さて、この自律神経にはリズムがあります。先ほど、昼間は交感神経が活発になって、夜は副交感神経が優位になると言いましたが、これは1日を通した大きなリズムです。

 

このような一定の時間帯に上がったり下がったりするような約1日の周期があるリズムのことを、サーカディアンリズムと言います。

 

サーカディアンリズムの代表が、睡眠と覚醒のリズムです。

 

そして、このサーカディアンリズムは体内時計によって調整されていますが、ここに大きな問題があります。

 

地球の周期が1日24時間なのに対して、なんと体内時計の周期は1日は24時間から25時間です。

 

つまり、本来、人間の体内時計と、外の環境にはズレがあるのです。

 

そのため、放っておくと、私たちが自然と眠くなる時間は、毎日少しずつ遅れて行ってしまうことになります。

 

コロナ自粛で家にずっといると、起床時間と就寝時間が、だんだん後ろにずれていってしまうのは、そのためです。

 

朝の太陽光を浴びて体内時計をリセット

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では、サーカディアンリズムを整えて健康を保ってくれる体内時計、どうやったらリセットできるのでしょう。

 

それは、午前中にしっかりと朝の強い光を目に入れること。

 

(とはいえ、直接太陽を見ないでください)

 

そのメカニズムは、こうです。

 

目から入った光は、網膜を通して視床下部にある視交叉上核に伝わります。

 

ここが体内時計をリセットしてくれる場所です。

 

こうして伝わった光の信号は松果体(しょうかたい)に伝わり、


その1416時間後に再びメラトニンという睡眠ホルモンが分泌されることで


眠気が生じるというのが、一連の仕組みになっています。

 

食事や運動もバイオリズムを整えてくれる

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午前中の強い光だけでなく、食事や運動なども体内時計をリセットする刺激となると考えられています。

 

まずは食事。皆さまそれぞれ状況があると思いますが、やはりいつも同じ時間に朝ご飯、お昼、夕飯を食べるということがリズムを整えてくれます。

 

それを一つの区切りとして、一日のルーティンを作ってみてはいかがでしょうか。

 

軽い散歩などの運動は、午前中にすることで太陽光を浴びることにもなるので良いと思いますし、

 

断捨離や家の片付け、掃除などの体を動かす家事も午前中にやると良いと思います。

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夜は出来るだけのんびり、ゆったり、リラックスして過ごせるように、

 

お仕事をされている方は、夕食前までの時間に集中して終わらせるようにするなど、

 

時間の区切りを意識して、ご自分にあった生活リズムを作ってみてください。


こんな大変な時だからこそ、それを乗り越えていくための大事な基礎として、


まずは体内時計を毎日リセットし、自律神経のリズムを整え、体調が整うことで、


ココロとカラダの体力を保っていきましょう。

 

2020年04月24日 17:36

自宅でのテクノストレスを減らす

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Posted: March 19, 2020 | Author: erikpeper |

Adapted from the upcoming book, Peper, E., Harvey, R., & Faass, (in press). Tech Stress: How Technology Is Hijacking Our Lives, Strategies for Coping, and Pragmatic Ergonomics. Berkeley: North Atlantic Books.

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コロナウイルスの影響で、テレワーク、在宅勤務をする方が増えています。

普段とは違う、慣れない環境で仕事をこなしていくことに、大きなストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか。

また家でのお仕事だけでなく、自宅でテレビやパソコンを眺めて過ごす時間が増えている方も多いかと思います。

そんな在宅勤務、自粛による在宅時間の長時間化でのストレスによる、心身の疲労を少しでも減らすために、

今回も米国サンフランシスコ州立大学健康教育学部教授のエリック・ペパー先生のブログを共有させて頂きます。

長丁場になりそうなコロナウイルスとの格闘、皆さまの毎日が少しでもストレスの少ないものになりますように、、、

英語でのオリジナルは、こちらをご覧ください。

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自宅でコンピューターの作業をすることは、オフィスで作業するよりも疲れるということを、多くの人々が報告しています。 在宅勤務には明らかな利点がありますが、不利な点もあります。
 

(たとえば、仕事をするスペースがない、努力を要する人間工学的状態、家族から避難できない、(オフィスでは)コミュニケーションに使われていた非言語での指示の欠如、 (オフィスでは)冷水機近くで交わされていたフレンドリーな会話などの共有の不足、子どもの世話をしつつ仕事することでのマルチタスクの増加など)
 

主な課題は、自宅に快適な作業スペースを確保することです。これは、コンピューター、キーボード、スクリーンを置く場所を見つけることを意味するかもしれません。

それがキッチンテーブル、寝室の隅にあるデスク、またはコーヒーテーブルの上になることもあれば、完全に独立した部屋になることもあるでしょう。
 

人間工学的に不適切な配置とストレスの多い作業スタイルは、首、肩の不快感を増加させ、目の疲れや疲労を悪化させます。

デジタル作業スペースがどのような場所で作られているかに関係なく、あなたの健康を促進するために、次の生活習慣とワークスタイルの提案人間工学に基づくアドバイスを取り入れてみてください。

 

生活習慣とワークスタイルの提案
 

◆ 休憩を何度も、何度も、何度もとる  

動きのある休憩を取ることは、固定された位置で座ってコンピューターで作業していると蓄積されていく、隠れた静止状態の緊張を減らすことができます。


・数分おきにちょっとした休憩をとりましょう。例えば、立ち上がって肩をグルグルと動かし、大きく回します。動くときには、スクリーンを見ることをやめて、部屋の中を見まわしたり、窓の外を見ましょう。

・30分ごとに立ち上がって歩き回り、体を動かします。タイマーを使って30分ごとに通知するようにして、休憩を取ります。(例えば、携帯電話のアラーム、Hey Google、Siri、Alexaなどのパーソナルデジタルアシスタントを使います)

 

◆ 視覚の改善

  • 目の休憩を取り、目の疲労を減らす
    ・数分ごとにスクリーンから目を離して、遠くを見てまばたきします。 可能であれば、外の緑の植物を眺めます。近くを見ていたことによる緊張を和らげてくれます。

    ・まばたきを何度もしましょう。コンピューターで作業するとき、まばたきの回数が減ります。ですから、新しいリンクをクリックするたびに、数字の列の入力を終了するとき、などなど、まばたきをしましょう。

    ・アゴをリラックスさせて、まぶたを落として目を閉じます。 あなたの頭上にフックがあって、それが頭を上に引っ張っているのをイメージしながら、同時に肩を下に落としましょう。

 

  • 背景のギラつきと明るさを減らす

    ・コンピュータのスクリーンを、部屋の最も明るい光源に対して90度に配置します。

    ・ビデオ会議に参加するとき、自分の後ろの背景を暗めにしましょう。 (例えば、 Zoom, Skype, GoToMeeting, WhatsApp, FaceTimeなど). あなたの顔が見やすくなります。

 

◆ 回復する


・ストレスがたまったら、呼吸をすることを忘れないでください。息を吸うときにはお腹をふくらませ、吐くときにはお腹からゆっくりと空気を出していきます。

・否定的なニュースを見たり聞いたりするのをやめましょう(ニュースは1日に1回だけチェックしてください)。

・ポジティブで面白い映画を観ましょう。

・新鮮な空気を吸いましょう。散歩に出かけ、太陽の下で過ごしましょう。

・友達と再びつながり、ポジティブな体験を共有しましょう。(オンラインで)

・これもまた過ぎ去っていく、ということを自分に言い聞かせましょう。

 

人間工学に基づくアドバイス世界をあなたのものに


優れた人間工学とは、機器や環境をあなたに合わせることであり、その逆ではありません。図1に示すように、椅子、机、キーボード、マウス、カメラ、スクリーン、および自分の配置を最適なものにしましょう。


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図 1. コンピューターで仕事をする際に推奨される配置


◆ ラップトップを配置する
 

ラップトップには、課題があります。キーボードでデータを入力するために手が適切な高さにある場合、画面を見るためには下を見なければなりません。スクリーンが適切な高さにある場合は、キーボードに届くために手を上げなければならないのです。この課題には2つの解決策があります。


1. 外付けのキーボードとマウスを使用してスクリーンの上部が目の高さになるようにラップトップを持ち上げます。ラップトップスタンドを使うか、または本を積み上げてラップトップを持ち上げます。

2. ディスプレイに外付けモニターを使用し、ラップトップをキーボードとして使用します。


これらの解決策が不可能な場合は、首や肩のストレスを減らすために、何度も何度も休憩を取ってください。


◆ コンピューターの作業場を配置する


1. 椅子を調整して、肩を上げずに前腕がテーブルに乗る高さに調整します。これは(椅子の上にクッションをのせて)そのクッションに座ることを意味するかもしれません。もし椅子が高すぎて足がぶら下がっている場合は、足を置くことができるフットスツールを用意しましょう。

2. スクリーン上部が目の高さになるようにモニターを調整します。モニターが低すぎる場合は、その下に何冊かの本を置いて持ち上げます。

3. 可能であれば、作業中は立ったり座ったりを交互にします。

 

 

RESOURCES

Ergonomic suggestions for working at the computer and laptop.

https://peperperspective.com/2014/09/30/cartoon-ergonomics-for-working-at-the-computer-and-laptop/

https://peperperspective.com/2014/02/24/optimizing-ergonomics-adapt-the-world-to-you-and-not-the-other-way-around/

11 tips for working at home

https://www.bakkerelkhuizen.com/knowledge-center/11-productivity-tips-for-homeworkers/?utm_campaign=US+-+19+03+20&utm_source=Newsletter&utm_medium=email

How our digital world activates evolutionary response patterns.

https://peperperspective.com/2020/01/17/evolutionary-traps-how-screens-digital-notifications-and-gaming-software-exploits-fundamental-survival-mechanisms/

https://peperperspective.com/2018/02/10/digital-addiction/

How posture affects health

https://peperperspective.com/2019/07/01/dont-slouch-improves-health-with-posture-feedback/

https://peperperspective.com/2019/05/21/relieve-and-prevent-neck-stiffness-and-pain/

https://peperperspective.com/2017/11/28/posture-and-mood-implications-and-applications-to-health-and-therapy/

https://peperperspective.com/2019/01/23/head-position-it-matters/

2020年04月17日 19:23

呼吸パターンを変えることで、コロナウイルスへの曝露を減らせるか?

sneeze

the peper perspective

Posted: April 1, 2020 | Author: erikpeper  Erik Peper

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こちらもコロナウイルスについての、米国サンフランシスコ州立大学健康教育学部教授のエリック・ペパー先生のブログです。先生に前回のブログを日本語に訳して皆さまと共有したいとお願いした際に、今回のものともう一つ(次回アップします)についても紹介することを勧めて頂きました。

英語でのオリジナルは、こちらをご覧ください。

皆さまのコロナ対策の一助となれば幸いです。

*これらは現時点(2020年4月1日)でのコロナウイルスについての情報ですので、今後変わっていく可能性はあるかと思いますので、その点はご留意ください。

*またこの日本語訳は感染症の専門家でも医師でもない私が翻訳したものですので、もし間違いがあった場合にはお知らせ頂けますと幸いです。

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このブログは、1990年代に始まった呼吸に関する研究に基づいています。この研究は、病気の原因となる機能不全の呼吸の特定に役立ちました。

呼吸のパターンを最適なものにし、健康を増進し、パフォーマンスを改善するために、バイオフィードバックを用いたコーチング/教育戦略を開発しました (Peper and Tibbetts, 1994Peper, Martinez Aranda and Moss, 2015Peper, Mason, and Huey, 2017).
 

たとえば、喘息がある人々には、タバコの煙や他の空気中の刺激物に対する反応性を低下させるように指導しました (Peper and Tibbitts, 1992Peper and Tibbetts, 2003). 

人が息を吐くと、たばこや電子タバコの煙は広がります。もしその人が感染していると、この煙は、図1に示すように他の人々が吸い込むことになるウイルスの霧を表しています。


vaping
図1. ラトビアのリガで電子タバコを吸う若者 (写真 Erik Peper).


呼吸の仕方を変えるために、参加者はまず自然なゆっくりとした横隔膜呼吸を学びました。 次に、タバコの煙などの空気中の刺激物に気づいた瞬間に、息を止めて体をリラックスさせ、非常にゆっくりと鼻から息を吐きながら、空気の汚染源から離れていくように教えました。空気が澄んだら、横隔膜呼吸で自然な呼吸をつづけました。(Peper and Tibbetts, 1994). 

この研究から、私たちは呼吸パターンを変えることによってコロナウイルスへの曝露を減らすことができるかも知れないと提案しています。しかし、最初のステップは、推奨される公衆衛生ガイドラインに従うことによる予防です。

  • ・社会的距離をとる(社会的サポートの提供を続けつつ身体的な距離を取る
    ・少なくとも20秒間、石鹸で手を洗う
    ・手で顔を触らない
    ・ドアの呼び鈴、ドアノブ、容器など、他者が触れた可能性のあるモノの表面のクリーニング
    ・マスクと手袋を着用して、他の人へのウイルス拡散を減らす。マスクはコロナウイルスに感染した人あるいは、無症状の保菌者によるウイルスの拡散を予防します。

 

呼吸パターンを変えることで、他の人が近くにいるときのウイルスへの曝露を減らす 
 

通常、私たちがビックリしたり驚いたりすると、すぐにハッと息を呑み、空気を急いで吸い込む傾向があります。

誰かが近くでくしゃみをしたり、咳をしたり、息を吐いたりすると、私たちはわずかに息をのみ、その飛沫を吸い込んでしまうことがよくあります。

飛沫(コロナウイルスを含む可能性があります)の吸い込みを減らすには、次のことを実施します。

  • 人が近づきすぎたとき
    ・口を閉じて、肩をリラックスさせて息を止め(息を止めるだけです)、その人から遠ざかります。
    ・鼻から静かに息を吐きます(息を吐く前に吸い込まないでください)ー吐ける息がどれほど少なくても多くても、吐くだけです。
    ・十分離れたら、鼻から静かに息を吸います。
    ・息を止めるときは、リラックスして、肩が下に落ちていると感じることを忘れないでください。息を止めるのは、人から離れるとき、ほんの数秒間だけです。 息を吸い込む前に、鼻から息を吐きます。
     
  • 人が咳やくしゃみをしたとき
    ・息を止めてその人から離れるように頭を回転させ、鼻から息を吐きながらその人から離れます。
    ・くしゃみや咳の飛沫が、あなたやあなたの服に着いたと思われる場合は、家に帰り、家の外で衣服を脱ぎ、服を洗濯機に入れてください。 シャワーを浴びて、石鹸で体を洗います。
     
  • あなたの前にいる人やあなたに近づいてくる人を通り過ぎるとき
    ・彼らに近づき過ぎる前に息を吸い込み、彼らと通り過ぎるとき鼻から息を吐きます。
    ・6フィート(約1.8m)以上離れたら、鼻からゆっくりと息を吸います。
     
  • 外で人と話すとき
    ・風が同じ側から両方の人に当たるように立って、吐き出された飛沫が両方から吹き飛ばされるようにします(風下)。

 

これらの呼吸スキルは、一見とてもシンプルに見えます。しかし、喘息やその他の症状を持つ人々との私たちの臨床経験では、その人の自動的な呼吸パターンを変えるには練習、練習、また練習が必要でした。

新しいパターンは、呼吸をいったん止めて(止めて)から、鼻から息を吐き出すというものです。この呼吸パターンは強制されたものではないということと、練習によって楽に出来るようになるということを忘れないでください。

 

参考文献

Peper, E., Martinez Aranda, P., & Moss, E. (2015). Vulvodynia treated successfully with breathing biofeedback and integrated stress reduction: A case report. Biofeedback. 43(2), 103-109.

Peper, E., Mason, L., Huey, C. (2017).  Healing irritable bowel syndrome with diaphragmatic breathing. Biofeedback. (45-4)/

Peper, E., and Tibbetts, V. (1992).  Fifteen-Month follow up with asthmatics utilizing EMG/Incentive inspirometer feedback. Bio­feedback and Self-Regulation. 17 (2), 143-151. 

Peper, E. & Tibbetts, V. (1994). Effortless diaphragmatic breathing. Physical Therapy Products. 6(2), 67-71.  Also in:  Electromyography:  Applications in Physical Therapy. Montreal: Thought Technology Ltd. 

Peper, E.  and Tibbitts, V.  (2003). Protocol for the treatment of asthma.  In:  Zheng, Y. (ed).  Clinical Practice of Biofeedback. Beijing:  High Education Press (HEP). 163-176. ISBN 7-04-011420-8

2020年04月15日 06:45

初期のウイルス摂取量を減らし、免疫システムを最大化する

risk-ratio

 

Posted: April 4, 2020 | Author: erikpeper Erik Peper and Richard Harvey

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コロナウイルスについて、信頼できる情報を得て、適切な対処をしていくことの重要性を前回のブログで書きましたが、私の信頼する米国サンフランシスコ州立大学健康教育学部教授のエリック・ペパー先生がブログで、COVID-19について書かれていましたので、先生の許可を得て日本語に訳し、こちらで共有させて頂きます。

英語でのオリジナルは、こちらをご覧ください。

皆さまのコロナ対策の一助となれば幸いです。

*これらは現時点(2020年4月4日)でのコロナウイルスについての情報ですので、今後変わっていく可能性はあるかと思いますので、その点はご留意ください。

*またこの日本語訳は感染症の専門家でも医師でもない私が翻訳したものですので、もし間違いがあった場合にはお知らせ頂けますと幸いです。

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COVID-19は、若者から高齢者の免疫システムを圧倒することもあり、場合によっては「重症急性呼吸器症候群」の肺炎と死をもたらす可能性があります (CDC (2020)


がん、心臓病、糖尿病、肺気腫、その他の健康問題を同時に患っている可能性のある高齢者の方が、リスクが高くなります。

加齢とともに免疫システムが低下し(免疫老化)、ウイルス感染に反応する必要がある適応免疫システムの反応が低下します (Aw, Silva & Palmer, 2007Osttan, Monti, Gueresi, et al., 2016).

 

疾患の重症度はウイルスの初期の用量によって左右される可能性があります


コロナウイルスは患者の体内でどのように振る舞うのか?我々は、 人々の間でのウイルスの広がりを集計してきたが、これからは一人の人の中でそれを集計する必要がある”という素晴らしい論文において、 コロンビア大学の内科助教授であり、ガンの内科医師であるシッダールタ・ムカージーは、この病気の重症度が初期のウイルス摂取量と関連している可能性があると指摘しました。


つまり、少量(ウイルス粒子が多すぎない量)を摂取した場合、感染はしますが、体は感染に対処するためにその免疫反応を活性化することができます。


少量のウイルスにさらされることは、ワクチン接種と同じように働きます。反対に、大量のウイルスにさらされる場合、体はその感染に圧倒され、効果的に反応することができません。


森林火災を考えてみてください。 小さな火は、消火活動のための資源をアップグレードするための十分な時間があるため、簡単に抑制できます。 けれど、同時に複数の火災が発生している火災嵐においては、消火活動の資源は圧倒され、外から消火活動の資源を用意する十分な時間がありません。


ムカージーが指摘するように、病気の重症度と、この被曝量との関係には長い歴史があります。 


たとえば、小児疾患の予防接種が利用可能になる前は、遊び場で感染した子供は通常、軽度の病気を経験しました。しかし、家で感染したその子供の兄弟姉妹は、その病気のはるかに重度の症状を発症したのです。


遊び場で感染した子供は、短期間に比較的少量のウイルスを摂取した可能性が最も高いです(空気中のウイルス濃度は低い)。一方、家で感染した兄弟姉妹に感染した兄弟は、長期間にわたって高濃度のウイルスを摂取することになり、それが初期においては彼らの免疫システムを圧倒したのです。


ウイルス濃度が高くなるのは、冬の間と、よく断熱/密閉された家(空気を滅菌するためにHEPAまたはUVフィルターを通過せずに空気が再循環されます)での可能性が高くなります。 ウイルス濃度を減少あるいは除去するための新鮮な空気がない場合、病気の重症度のリスクは高くなる可能性があります。


COVID-19で病気になるリスクは、コロナウイルスにさらされ、免疫力がさらされている場合に発生します。 

これは次の方程式で表すことができます。

risk-ratio

 

この方程式は、リスクを低減するための2つの戦略を示唆しています。つまり、コロナウイルスの負荷/暴露を減らし、免疫システムを強化する、という事です。

 

 

ウイルスへの曝露量を減らすためできること
 

誰もが感染していると想定します、例え健康に見えてもです。研究によると、人々は症状が現れる前からすでに感染しているか、病気にならずに無意識のうちにウイルスを広める症状が出ない保菌者であることを示唆しています。

オランダの研究者は次のように報告しています。「発症前感染の割合は、シンガポールで48%、中国の天津で62%だった。」(Ganyani et al, 2020)したがって、COVID-19の症状(発熱、乾いた咳など)を持つ人々を隔離する介入は、おそらく意識せずにコミュニティを感染させる可能性のある、無症状の保菌者を見逃すことになります。あなたが検査を受けた場合のみ、あなたがウイルスにさらされたか、あるいはウイルスから回復したかを知ることになるのです。

ウイルスへの曝露量を減らすには、次の手順を実行します。


1. 公衆衛生ガイドラインに従う

  • ・社会的距離をとる(社会的サポートの提供を続けつつ身体的な距離を取る)
    ・少なくとも20秒間、石鹸で手を洗う
    ・微生物やウイルスが、鼻、口や目の粘膜から体内に侵入するのを防ぐために、顔に触れない
    ・ドアの呼び鈴、ドアノブ、容器など、他者が触れた可能性のあるモノの表面のクリーニング
    ・マスクと手袋を着用して、他の人へのウイルス拡散を減らす           

 

2. 吐き出された息に飛沫が含まれている可能性がある、人のスリップストリーム(後方に発生するらせん状の空気流)を避ける

社会的距離を取る目的は、他の人の呼気があなたに届かないように、あなたと他の人の間に十分な距離を置くことです。 人々の間の必要な距離は、彼らの活動と気流の方向によります。

 

あるシミュレーション研究で、KU Leuven and Eindhoven工科大学のバート・ブロッケン教授とその同僚が、ウイルス飛沫を含む可能性のある呼気のプルーム(*雲のように立ち上がる水蒸気のこと)は5フィート(約1.5m)をはるかに超えて広がる可能性があると報告しました。これは、図1に示すように、風の方向と、人が歩いているのか、ジョギングしているのかによって異なります。 (Blocken, 2020)

slipstream
 

図1.ウイルスを含む可能性のある吐き出された飛沫のプルームは、スリップストリームでその人の後ろに広がります(写真 KU Leuven en TU Eindhoven).

 

人のスリップストリームにある吐き出された飛沫のプルームは、徒歩で15フィート(約4.5m)を超え、ジョギングや自転車で60フィート(約18m)を超えることがあります。 したがって、これらの条件下での社会的距離は6フィート(約1.8m)以上必要ということになり、それはスリップストリームを避けて、人からはるかに離れた場所にいる必要があることを意味します。 

 

3. 新鮮な空気を増やしウイルス濃度を減らす 

新鮮な外気の循環を増やすことにより、無症状または病気の感染者によって広がる可能性のあるウイルス濃度を薄めることができます。そうすれば、あなたがウイルスにさらされている場合も、摂取量が少なくなり、より軽い疾患を発症する可能性が高くなります。新鮮な空気を増やすには(これは外気が汚染されていないことを前提としています)、次のことを試してみてください。

  • 窓を開けて、家や職場での換気する  インフルエンザシーズンが冬に急増する主な理由の1つは、極端な気象条件から逃れるために人々が屋内に集まるからです。人々は、熱を節約し、暖房費を削減するために窓を閉めたままにしておきます。 新鮮な空気の循環の欠如は、ウイルスの密度と病気の重症度のリスクを増加させます (Foster, 2014).
    建物の換気のために排気ファンを使用 内部の「古くなった」空気を新鮮な外気に継続的に入れ換えることにより、空気中のウイルスの濃度が低減されます。
    HEPAHigh-efficiency particulate air)空気清浄機を使用して、室内の空気をろ過  これらのデバイスは、直径が0.3 µmに等しい粒子をフィルターで除去します。ウイルスを完全に取り除くわけではありませんが、減らすことができます。
    空気の再利用をしている建物を避ける (暖房および空調システム(HAC)がHEPAフィルターを使用していない限り)
    他の人やコミュニティを守るためにマスクを着用  マスクは、COVID-19または無症状保菌者によるウイルスの放出を減らします。

 

ウイルスと戦うために免疫システムを強化する方法


免疫システムは変動するものであり、多くの要因と個人差がウイルスと戦う能力に影響を与えます。40歳の人が70歳くらいの機能の免疫システムを持っている可能性がある一方、一部の70歳は40歳くらいの機能の免疫システムを持っています。 免疫力に寄与する要因には、遺伝子、老化、以前のウイルスへの曝露、およびライフスタイルが含まれます (Lawton, 2020).
 

総合的なアプローチを通じて生活習慣を管理することで、免疫システムを強化できるかもしれません (Alschuler et al, 2020Lawton, 2020). ロートン(2020)とアルシュラーら(2020)が発表した論文を基にした次の表は、免疫システムを強化または弱める可能性があるいくつかの要因を示しています.
 

免疫システムを強化する要因
 

アクティビティ(活動) 効果
適切な睡眠 免疫力を高める
ストレスの軽減 免疫力を高める
楽観主義と希望 免疫力を高める
エクササイズ(運動) 免疫システムをサポート

野菜と果物を増やし単離フラボノイドを減らす

*フラボノイドはポリフェノールの化合物で、単離フラボノイドはフラボノイドのサプリメント

免疫システムが適切に働くことを助ける
16時間の断食(カロリー制限)毎週 免疫力を高める
低容量のビタミンD(1000~2000 IUs)

免疫システムの生得の武装を強める

好中球とマクロファージ-上部呼吸器感染症を減少

ビタミンE(200  IUs)
 

免疫システムの適応的な武装を強める

Tセルの若返りの可能性と上部呼吸器感染症の減少

亜鉛(非常に低容量) ウイルス感染に効果的(過剰摂取は免疫システムを抑制する)
ビタミンC(1日に5g)*効果がある可能性がある 入院の際には20gの点滴が肺炎からの回復に約立つ
新鮮な外気(自然の中で) 感染率を下げる


免疫システムを弱めるかもしれない要因

 

アクティビティ(活動) 効果
肺刺激物(汚染、喫煙、電子タバコ) 肺炎になるリスクを増加させる
再利用された空気 感染率の増加
無力感、フラストレーション 免疫力を弱める
過度のエクササイズ(運動) 免疫力を弱める
肥満、食べ過ぎ 免疫力を弱める
飲酒、糖と単糖の炭水化物 免疫力を弱め、糖尿のリスクを増加させる
慢性的なストレス 免疫力を弱める



これらの要因は、WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長のプレゼンテーション、Practical tips how to keep yourself safe(自分を安全に保つための実用的なヒント)に見事に要約されています。



参考文献

Abhanon, T. (2020 March 26). Practical tips how to keep yourself safe.

Alschuler, L., Weil, A., Horwitz, R. Stamets, P., Chiasso, A.M., Crocker, R., & Maizes, V. (2020 March 26). Integrative considerations during the CPVID-19 pandemic. Explore, 26.

Aw, D., Silva, A. B., & Palmer, D. B. (2007). Immunosenescence: emerging challenges for an ageing population. Immunology120(4), 435–446.

CDC (2020, March 26). Severe Outcomes Among Patients with Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) — United States, February 12–March 16, 2020. Morbidity and Mortality Weekly Report. CDC. March 26, 2020.

Foster, H. (2014 December 1). The reason for the season: why flu strikes in winterSITN Science in the News

Ganyani, T., Kremer, C., Chen, D., Torneri, A, Faes, C., Wallinga, J., & Hensm N. (2020).    Estimating the generation interval for COVID-19 based on symptom onset data     doi:https://doi.org/10.1101/2020.03.05.20031815

Lawton, G. (2020). You’re only as young as your immune system. New Scientist, 245(3275), 44-48.

Mukherjee, S. (2020). How does the coronavirus behave inside a patient? We’ve counted the viral spread across peoples; now we need to count it within people. The New Yorker, April 6, 2020.

Ostan, R., Monti, D., Gueresi, P., Bussolotto, M., Franceschi, C., & Baggio, G. (2016). Gender, aging and longevity in humans: An update of an intriguing/neglected scenario paving the way to a gender-specific medicine. Clinical Science, 130(19), 1711-1725.

2020年04月13日 11:19

コロナウイルスという大きな不安とストレスへの向き合い方

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変えられないものを受け入れる心の静けさを
変えるべきものを変える勇気を
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する叡智を与えてください


世界中でコロナウイルスが猛威を振るうなか、日本でも状況は緊迫してきました。

皆さま、それぞれの立場や状況で、取れる対策、出来ることに取り組んでおられることと思います。

ストレスについての見地からは、見通しが立たないこと、未知のものは強いストレスになります。

また、コントロールできないものを、コントロールしようとすることも大きなストレスです。

なので私たちは、この変えることの出来ない大変な現実を受け入れ、

出来るだけ信頼できる情報を集めて見えないものを見えるようにして、

自分に出来ること、対処できることに集中することによって、

この大きなストレスに立ち向かって行けたらと思います。

 

不安をエネルギーに変える


不安には、大きな力があります。

それは諸刃の剣ではないかと思います。

私たちをもっとも苦しめるのは「漠然とした不安」です。

正体の分からないものや、姿の見えない幽霊ほど怖いように、

正体の分からない不安は、頭のなかで無限に膨らみ、

私たちの心を蝕んでいきます。

けれど、不安はお腹の下の方から湧き上がってくるエネルギーでもあります。

それは、私たちにアクションが必要なことを教えてくれています。

ですから、不安を押さえ込むのではなく、力に変えて使う方法を試してみてください。


まずは、不安を見えないものから、見えるものにする必要があります。

今、不安に思っていることを全て書き出していきましょう


お金や家についての不安、自分や家族や身近な人が感染するのではないかという不安、

日用品や食料の不足への不安、この先日本や世界がどうなってしまうのかという不安、等々。

様々な不安が出てくることと思いますが、出来るだけ具体的に不安の内容を書いていきます。

例えば、会社員の方であれば、「会社が倒産して失業したらどうしよう」といった不安もあるでしょうし、

自営業の方には「収入が無くなって家賃など払えなくなったらどうしよう」といった不安があるかもしれません。

また、「自分や家族、大切な人が感染して、苦しんだり死んでしまうかもしれない」という不安もあるかも知れません。

もっと身近なところでは「トイレットペーパーが買えなくなったらどうしよう」

「食料がスーパーから無くなってしまったらどうしよう」といった不安も出てくるかも知れません。

次に、それぞれ書き出したことについて、「自分が出来ること」を探していきます。


例えば、一従業員としては会社を倒産させないように何かをすることは出来ないかも知れませんが、

そうなった場合に自分が出来ることを探しておくことは出来ます。

トイレットペーパーもマスクも、代替になるものを探して準備しておくことも出来ます。

感染への不安も、こまめな手洗い、出来るだけ人との接触を避ける、会う時には2m以上の距離を取る、

換気をこまめに行う、外から家に入れるものは出来る限り消毒する、

買い物は1週間から1週間分などまとめていくなど、自分に出来る最大限の対処をしつつ、

自身の免疫を上げていくために、栄養のある食事、適切な睡眠、適度な家での運動や散歩する、

コロナについてのテレビ番組は見過ぎない、家では楽しいことを探してやる、

面白いドラマ、映画、本など読んで笑う時間をふやすといったことが出来ます。

自分に出来ることが見つかったら、不安をエネルギーに変えて、アクションを起こしていきます。


これも、今の自分に出来ることから、淡々とやりましょう。

コロナ騒動の初期には「オリンピックが延期になったら日本はどうなるんだろう」と、

不安を感じていた方もいましたが、いざそうなってしまえばそれに対処するしかない現実があります。

実は、不安というのは、ジェットコースターが落ちる直前が一番怖いのと同じで、

それが起きたらどうしようと想像している時が一番の恐怖なのです。

起きてしまったら、それに対処するのに必死で、不安や恐怖は無くなってしまうのです。

目の前の現実を受け入れ、不安を力に変えて準備するべきものは準備して、

今、自分に出来ることを淡々とやっていく。


それが、自分たちにコントロール出来ない大きな脅威にさらされた小さな私たちが、

自分を見失わないために必要なことではないかと思います。
 

 

2020年04月12日 10:55

不安でも大丈夫

抱える①

不安との上手なつきあい方

 

お正月休みも終わり、お仕事や学校が始まった方も多いと思います。

 

仕事や学校が楽しみで仕方無い、という方もいるかも知れませんが、

 

休み明けというのは、

 

多くの方が不安や憂うつな気持ちを感じるのではないでしょうか。

 

そんな不安を感じたとき、皆さんはどうされていますか?

 

多くの方は、不安を無くそう、消そうとされるのではないかと思います。

 

けれど、不安というものは、

 

無くそうとすればするほど、

 

消そうとすればするほどに、

 

不安な気持ちが強くなってしまうものなのです。

 

マインドフルネスになろう

 

マインドフルネスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 

マインドフルネスとは、

 

「いま・ここ」に意識を集中させることで、

 

あるがままにものごとを受けいれることを意味します。

 

私たちは、通常は、つねにものごとを価値判断し、

 

評価をくだしています。

 

「不安になってはいけない」

 

「こんな風に考えるのは、ダメだ」

 

「もっと、強くなりたいのに」

 

そんな風に判断を下し、評価することで、

 

ますます気持ちは落ち込んでいきます。

 

一方で、マインドフルネスになるということは、

 

そうした判断や評価を、少しわきに置いて、

 

「いま・ここ」にあるものを淡々と観察しつづけます。

 

不安な気持ちになったら、

 

その不安な気持ちに気付いて、

 

自分が不安に感じていることを認めて、

 

ただその不安を観察するのです。

 

やってみよう、マインドフルネス

 

少し、目を閉じて、自分のカラダを観察してみます。

 

焦りや不安を感じていたら、

 

その焦りや不安がカラダの何処で感じているのか、

 

意識を向けてみましょう。

 

ひょっとしたら、胃の下のあたりがモゾモゾしたり、

 

ノドの辺りに何かがつまっているようだったり、

 

胸がキュッと圧迫されているように感じたりするかも知れません。

 

そうしたカラダの感覚に、

 

一つ一つ気付いてみてください。

 

実は、こんな風にカラダの感覚をモニタリングするだけでも、

 

不安が和らぐ効果があります。

 

次に、違和感を感じたカラダの部位に、

 

そっと手をあててみます。

 

そして、そこに優しく空気を吹き込むようなイメージで、

 

呼吸をしばらく繰り返してみてください。

 

そして心のなかで自分に向けて

 

「不安になることもあるよね。」

 

「そこに居てもいいよ」

 

と、不安にちゃんと居場所を作ってあげましょう。

 

今年は、ぜひ不安と仲良くなる練習をしてみてください。

2019年01月08日 06:16

カラッぽにするために

ソテツトンネル

ヨガの浄化法

 

正月三が日も過ぎましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

前回、枯れてしまった気を取り戻し、

 

生命力を活性化させるために、

 

汚れを落とし、心身を清めるのが、

 

日本人の根底に流れる価値観だと書きました。

 

実は、これはヨーガの哲学にも通じるところがあります。

 

ヨーガの哲学では、すべてのモノには

 

・サットヴァ(純粋・調和)

・ラジャス(激情)

・タマス(惰性)

 

という3つの性質があると考えます。

 

サットヴァな食事(ベジタリアンのシンプルな味付けの消化しやすい食べ物)を頂き、

 

キレイに洗濯した衣服を身につけ、

 

部屋の不要なモノを捨ててお掃除をすることで環境を浄化し、

 

瞑想をすることで頭のなかのいらないものを捨ててクリアにして、

 

ヨーガを日々練習することで集中力を高めます。

 

また、ヨーガにはKriyas(クリヤー)と呼ばれる6つの浄化法があります。

 

Neti(ネティ)というクレンジング方法では、

 

片方の鼻腔からポットで塩水をもう片方の鼻腔に流して

 

粘膜をクレンジングします。

 

また、カパラバティと呼ばれる呼吸法は、

 

肺と頭蓋骨を浄化し、顔を輝かせてくれます。

 

マインドもカラダもスピリットも、

 

すべてを浄化してカラッぽにして、

 

純粋(サットヴァ)にしていくことで、

 

ブラーフマンと呼ばれる宇宙の根源と一体になることを目指します。

 

(これは仏教では、「梵我一如(ぼんがいちにょ)」と呼ばれます。)

 

カラッぽであることの苦痛

 

ところが、カラッぽであること、浄化されていることを、

 

苦痛に感じてしまうことがあります。

 

シーンとした静寂が苦痛であったり、

 

音がないと不安に感じて、

 

ついテレビをつけてしまう方もいるでしょう。

 

また、自分のなかの虚しさや悲しみを埋めて、

 

怒りを飲む込むために何かを食べてしまう方もいます。

 

薄い味付けでは気持ちが満たされずに、

 

塩気が強いものやスパイシーなものを欲してしまう時もあります。

 

日常生活では、わざとカラッぽにならないようにしていることも多いのです。

 

ですから、カラッぽになるというのは、そんなに簡単なことではありませんが、

 

完璧に浄化してカラッぽになることだけを目指すのは、

 

出家をして悟りを目指しているわけではない私たちにとって、

 

あまり現実的ではないと感じています。

 

むしろ、心身を浄化して

 

カラッぽにすることを意識するなかで、

 

自分の中にある色々なものと向き合うプロセスが、

 

大事ではないかと思います。

 

例えば、当たり前のように食べていた甘いものを

 

少しだけ控えてみると、

 

自分のなかにある「寂しさ」や「甘えたい気持ち」に気付くかも知れません。

 

テレビを少しだけ消してみることで、

 

ココロの中にある「虚しい感じ」に気付くかも知れません。

 

ストレスを感じたときや疲れたときに甘いものを食べることも、

 

家でボーッとするためにテレビを見ることも、

 

大変な日常生活をやり過ごしていくための

 

ストレスマネジメントの側面もあったりしますので、

 

悪いものというわけではありませんが、

 

普段、見ないようにしている自分の気持ちを見つめていくことは、

 

より大きな深い魂の癒しへと繋がる、

 

大事な入り口でもあります。

 

2019年01月04日 23:04

東京・三鷹・武蔵野市のホリスティックヘルス・カウンセリングルーム Helix Centre

【電話番号】 070-4330-6734

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