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初期のウイルス摂取量を減らし、免疫システムを最大化する

risk-ratio

 

Posted: April 4, 2020 | Author: erikpeper Erik Peper and Richard Harvey

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コロナウイルスについて、信頼できる情報を得て、適切な対処をしていくことの重要性を前回のブログで書きましたが、私の信頼する米国サンフランシスコ州立大学健康教育学部教授のエリック・ペパー先生がブログで、COVID-19について書かれていましたので、先生の許可を得て日本語に訳し、こちらで共有させて頂きます。

英語でのオリジナルは、こちらをご覧ください。

皆さまのコロナ対策の一助となれば幸いです。

*これらは現時点(2020年4月4日)でのコロナウイルスについての情報ですので、今後変わっていく可能性はあるかと思いますので、その点はご留意ください。

*またこの日本語訳は感染症の専門家でも医師でもない私が翻訳したものですので、もし間違いがあった場合にはお知らせ頂けますと幸いです。

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COVID-19は、若者から高齢者の免疫システムを圧倒することもあり、場合によっては「重症急性呼吸器症候群」の肺炎と死をもたらす可能性があります (CDC (2020)


がん、心臓病、糖尿病、肺気腫、その他の健康問題を同時に患っている可能性のある高齢者の方が、リスクが高くなります。

加齢とともに免疫システムが低下し(免疫老化)、ウイルス感染に反応する必要がある適応免疫システムの反応が低下します (Aw, Silva & Palmer, 2007Osttan, Monti, Gueresi, et al., 2016).

 

疾患の重症度はウイルスの初期の用量によって左右される可能性があります


コロナウイルスは患者の体内でどのように振る舞うのか?我々は、 人々の間でのウイルスの広がりを集計してきたが、これからは一人の人の中でそれを集計する必要がある”という素晴らしい論文において、 コロンビア大学の内科助教授であり、ガンの内科医師であるシッダールタ・ムカージーは、この病気の重症度が初期のウイルス摂取量と関連している可能性があると指摘しました。


つまり、少量(ウイルス粒子が多すぎない量)を摂取した場合、感染はしますが、体は感染に対処するためにその免疫反応を活性化することができます。


少量のウイルスにさらされることは、ワクチン接種と同じように働きます。反対に、大量のウイルスにさらされる場合、体はその感染に圧倒され、効果的に反応することができません。


森林火災を考えてみてください。 小さな火は、消火活動のための資源をアップグレードするための十分な時間があるため、簡単に抑制できます。 けれど、同時に複数の火災が発生している火災嵐においては、消火活動の資源は圧倒され、外から消火活動の資源を用意する十分な時間がありません。


ムカージーが指摘するように、病気の重症度と、この被曝量との関係には長い歴史があります。 


たとえば、小児疾患の予防接種が利用可能になる前は、遊び場で感染した子供は通常、軽度の病気を経験しました。しかし、家で感染したその子供の兄弟姉妹は、その病気のはるかに重度の症状を発症したのです。


遊び場で感染した子供は、短期間に比較的少量のウイルスを摂取した可能性が最も高いです(空気中のウイルス濃度は低い)。一方、家で感染した兄弟姉妹に感染した兄弟は、長期間にわたって高濃度のウイルスを摂取することになり、それが初期においては彼らの免疫システムを圧倒したのです。


ウイルス濃度が高くなるのは、冬の間と、よく断熱/密閉された家(空気を滅菌するためにHEPAまたはUVフィルターを通過せずに空気が再循環されます)での可能性が高くなります。 ウイルス濃度を減少あるいは除去するための新鮮な空気がない場合、病気の重症度のリスクは高くなる可能性があります。


COVID-19で病気になるリスクは、コロナウイルスにさらされ、免疫力がさらされている場合に発生します。 

これは次の方程式で表すことができます。

risk-ratio

 

この方程式は、リスクを低減するための2つの戦略を示唆しています。つまり、コロナウイルスの負荷/暴露を減らし、免疫システムを強化する、という事です。

 

 

ウイルスへの曝露量を減らすためできること
 

誰もが感染していると想定します、例え健康に見えてもです。研究によると、人々は症状が現れる前からすでに感染しているか、病気にならずに無意識のうちにウイルスを広める症状が出ない保菌者であることを示唆しています。

オランダの研究者は次のように報告しています。「発症前感染の割合は、シンガポールで48%、中国の天津で62%だった。」(Ganyani et al, 2020)したがって、COVID-19の症状(発熱、乾いた咳など)を持つ人々を隔離する介入は、おそらく意識せずにコミュニティを感染させる可能性のある、無症状の保菌者を見逃すことになります。あなたが検査を受けた場合のみ、あなたがウイルスにさらされたか、あるいはウイルスから回復したかを知ることになるのです。

ウイルスへの曝露量を減らすには、次の手順を実行します。


1. 公衆衛生ガイドラインに従う

  • ・社会的距離をとる(社会的サポートの提供を続けつつ身体的な距離を取る)
    ・少なくとも20秒間、石鹸で手を洗う
    ・微生物やウイルスが、鼻、口や目の粘膜から体内に侵入するのを防ぐために、顔に触れない
    ・ドアの呼び鈴、ドアノブ、容器など、他者が触れた可能性のあるモノの表面のクリーニング
    ・マスクと手袋を着用して、他の人へのウイルス拡散を減らす           

 

2. 吐き出された息に飛沫が含まれている可能性がある、人のスリップストリーム(後方に発生するらせん状の空気流)を避ける

社会的距離を取る目的は、他の人の呼気があなたに届かないように、あなたと他の人の間に十分な距離を置くことです。 人々の間の必要な距離は、彼らの活動と気流の方向によります。

 

あるシミュレーション研究で、KU Leuven and Eindhoven工科大学のバート・ブロッケン教授とその同僚が、ウイルス飛沫を含む可能性のある呼気のプルーム(*雲のように立ち上がる水蒸気のこと)は5フィート(約1.5m)をはるかに超えて広がる可能性があると報告しました。これは、図1に示すように、風の方向と、人が歩いているのか、ジョギングしているのかによって異なります。 (Blocken, 2020)

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図1.ウイルスを含む可能性のある吐き出された飛沫のプルームは、スリップストリームでその人の後ろに広がります(写真 KU Leuven en TU Eindhoven).

 

人のスリップストリームにある吐き出された飛沫のプルームは、徒歩で15フィート(約4.5m)を超え、ジョギングや自転車で60フィート(約18m)を超えることがあります。 したがって、これらの条件下での社会的距離は6フィート(約1.8m)以上必要ということになり、それはスリップストリームを避けて、人からはるかに離れた場所にいる必要があることを意味します。 

 

3. 新鮮な空気を増やしウイルス濃度を減らす 

新鮮な外気の循環を増やすことにより、無症状または病気の感染者によって広がる可能性のあるウイルス濃度を薄めることができます。そうすれば、あなたがウイルスにさらされている場合も、摂取量が少なくなり、より軽い疾患を発症する可能性が高くなります。新鮮な空気を増やすには(これは外気が汚染されていないことを前提としています)、次のことを試してみてください。

  • 窓を開けて、家や職場での換気する  インフルエンザシーズンが冬に急増する主な理由の1つは、極端な気象条件から逃れるために人々が屋内に集まるからです。人々は、熱を節約し、暖房費を削減するために窓を閉めたままにしておきます。 新鮮な空気の循環の欠如は、ウイルスの密度と病気の重症度のリスクを増加させます (Foster, 2014).
    建物の換気のために排気ファンを使用 内部の「古くなった」空気を新鮮な外気に継続的に入れ換えることにより、空気中のウイルスの濃度が低減されます。
    HEPAHigh-efficiency particulate air)空気清浄機を使用して、室内の空気をろ過  これらのデバイスは、直径が0.3 µmに等しい粒子をフィルターで除去します。ウイルスを完全に取り除くわけではありませんが、減らすことができます。
    空気の再利用をしている建物を避ける (暖房および空調システム(HAC)がHEPAフィルターを使用していない限り)
    他の人やコミュニティを守るためにマスクを着用  マスクは、COVID-19または無症状保菌者によるウイルスの放出を減らします。

 

ウイルスと戦うために免疫システムを強化する方法


免疫システムは変動するものであり、多くの要因と個人差がウイルスと戦う能力に影響を与えます。40歳の人が70歳くらいの機能の免疫システムを持っている可能性がある一方、一部の70歳は40歳くらいの機能の免疫システムを持っています。 免疫力に寄与する要因には、遺伝子、老化、以前のウイルスへの曝露、およびライフスタイルが含まれます (Lawton, 2020).
 

総合的なアプローチを通じて生活習慣を管理することで、免疫システムを強化できるかもしれません (Alschuler et al, 2020Lawton, 2020). ロートン(2020)とアルシュラーら(2020)が発表した論文を基にした次の表は、免疫システムを強化または弱める可能性があるいくつかの要因を示しています.
 

免疫システムを強化する要因
 

アクティビティ(活動) 効果
適切な睡眠 免疫力を高める
ストレスの軽減 免疫力を高める
楽観主義と希望 免疫力を高める
エクササイズ(運動) 免疫システムをサポート

野菜と果物を増やし単離フラボノイドを減らす

*フラボノイドはポリフェノールの化合物で、単離フラボノイドはフラボノイドのサプリメント

免疫システムが適切に働くことを助ける
16時間の断食(カロリー制限)毎週 免疫力を高める
低容量のビタミンD(1000~2000 IUs)

免疫システムの生得の武装を強める

好中球とマクロファージ-上部呼吸器感染症を減少

ビタミンE(200  IUs)
 

免疫システムの適応的な武装を強める

Tセルの若返りの可能性と上部呼吸器感染症の減少

亜鉛(非常に低容量) ウイルス感染に効果的(過剰摂取は免疫システムを抑制する)
ビタミンC(1日に5g)*効果がある可能性がある 入院の際には20gの点滴が肺炎からの回復に約立つ
新鮮な外気(自然の中で) 感染率を下げる


免疫システムを弱めるかもしれない要因

 

アクティビティ(活動) 効果
肺刺激物(汚染、喫煙、電子タバコ) 肺炎になるリスクを増加させる
再利用された空気 感染率の増加
無力感、フラストレーション 免疫力を弱める
過度のエクササイズ(運動) 免疫力を弱める
肥満、食べ過ぎ 免疫力を弱める
飲酒、糖と単糖の炭水化物 免疫力を弱め、糖尿のリスクを増加させる
慢性的なストレス 免疫力を弱める



これらの要因は、WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長のプレゼンテーション、Practical tips how to keep yourself safe(自分を安全に保つための実用的なヒント)に見事に要約されています。



参考文献

Abhanon, T. (2020 March 26). Practical tips how to keep yourself safe.

Alschuler, L., Weil, A., Horwitz, R. Stamets, P., Chiasso, A.M., Crocker, R., & Maizes, V. (2020 March 26). Integrative considerations during the CPVID-19 pandemic. Explore, 26.

Aw, D., Silva, A. B., & Palmer, D. B. (2007). Immunosenescence: emerging challenges for an ageing population. Immunology120(4), 435–446.

CDC (2020, March 26). Severe Outcomes Among Patients with Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) — United States, February 12–March 16, 2020. Morbidity and Mortality Weekly Report. CDC. March 26, 2020.

Foster, H. (2014 December 1). The reason for the season: why flu strikes in winterSITN Science in the News

Ganyani, T., Kremer, C., Chen, D., Torneri, A, Faes, C., Wallinga, J., & Hensm N. (2020).    Estimating the generation interval for COVID-19 based on symptom onset data     doi:https://doi.org/10.1101/2020.03.05.20031815

Lawton, G. (2020). You’re only as young as your immune system. New Scientist, 245(3275), 44-48.

Mukherjee, S. (2020). How does the coronavirus behave inside a patient? We’ve counted the viral spread across peoples; now we need to count it within people. The New Yorker, April 6, 2020.

Ostan, R., Monti, D., Gueresi, P., Bussolotto, M., Franceschi, C., & Baggio, G. (2016). Gender, aging and longevity in humans: An update of an intriguing/neglected scenario paving the way to a gender-specific medicine. Clinical Science, 130(19), 1711-1725.

2020年04月13日 11:19

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