コロナウイルスという大きな不安とストレスへの向き合い方
変えられないものを受け入れる心の静けさを
変えるべきものを変える勇気を
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する叡智を与えてください
世界中でコロナウイルスが猛威を振るうなか、日本でも状況は緊迫してきました。
皆さま、それぞれの立場や状況で、取れる対策、出来ることに取り組んでおられることと思います。
ストレスについての見地からは、見通しが立たないこと、未知のものは強いストレスになります。
また、コントロールできないものを、コントロールしようとすることも大きなストレスです。
なので私たちは、この変えることの出来ない大変な現実を受け入れ、
出来るだけ信頼できる情報を集めて見えないものを見えるようにして、
自分に出来ること、対処できることに集中することによって、
この大きなストレスに立ち向かって行けたらと思います。
不安をエネルギーに変える
不安には、大きな力があります。
それは諸刃の剣ではないかと思います。
私たちをもっとも苦しめるのは「漠然とした不安」です。
正体の分からないものや、姿の見えない幽霊ほど怖いように、
正体の分からない不安は、頭のなかで無限に膨らみ、
私たちの心を蝕んでいきます。
けれど、不安はお腹の下の方から湧き上がってくるエネルギーでもあります。
それは、私たちにアクションが必要なことを教えてくれています。
ですから、不安を押さえ込むのではなく、力に変えて使う方法を試してみてください。
まずは、不安を見えないものから、見えるものにする必要があります。
今、不安に思っていることを全て書き出していきましょう
お金や家についての不安、自分や家族や身近な人が感染するのではないかという不安、
日用品や食料の不足への不安、この先日本や世界がどうなってしまうのかという不安、等々。
様々な不安が出てくることと思いますが、出来るだけ具体的に不安の内容を書いていきます。
例えば、会社員の方であれば、「会社が倒産して失業したらどうしよう」といった不安もあるでしょうし、
自営業の方には「収入が無くなって家賃など払えなくなったらどうしよう」といった不安があるかもしれません。
また、「自分や家族、大切な人が感染して、苦しんだり死んでしまうかもしれない」という不安もあるかも知れません。
もっと身近なところでは「トイレットペーパーが買えなくなったらどうしよう」
「食料がスーパーから無くなってしまったらどうしよう」といった不安も出てくるかも知れません。
次に、それぞれ書き出したことについて、「自分が出来ること」を探していきます。
例えば、一従業員としては会社を倒産させないように何かをすることは出来ないかも知れませんが、
そうなった場合に自分が出来ることを探しておくことは出来ます。
トイレットペーパーもマスクも、代替になるものを探して準備しておくことも出来ます。
感染への不安も、こまめな手洗い、出来るだけ人との接触を避ける、会う時には2m以上の距離を取る、
換気をこまめに行う、外から家に入れるものは出来る限り消毒する、
買い物は1週間から1週間分などまとめていくなど、自分に出来る最大限の対処をしつつ、
自身の免疫を上げていくために、栄養のある食事、適切な睡眠、適度な家での運動や散歩する、
コロナについてのテレビ番組は見過ぎない、家では楽しいことを探してやる、
面白いドラマ、映画、本など読んで笑う時間をふやすといったことが出来ます。
自分に出来ることが見つかったら、不安をエネルギーに変えて、アクションを起こしていきます。
これも、今の自分に出来ることから、淡々とやりましょう。
コロナ騒動の初期には「オリンピックが延期になったら日本はどうなるんだろう」と、
不安を感じていた方もいましたが、いざそうなってしまえばそれに対処するしかない現実があります。
実は、不安というのは、ジェットコースターが落ちる直前が一番怖いのと同じで、
それが起きたらどうしようと想像している時が一番の恐怖なのです。
起きてしまったら、それに対処するのに必死で、不安や恐怖は無くなってしまうのです。
目の前の現実を受け入れ、不安を力に変えて準備するべきものは準備して、
今、自分に出来ることを淡々とやっていく。
それが、自分たちにコントロール出来ない大きな脅威にさらされた小さな私たちが、
自分を見失わないために必要なことではないかと思います。