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グリーフの重要性 - 悲しみに寄り添うために

グリーフ

自分の悲しみとの向き合い方に意識をむけてみる

 

ご自分の悲しみとどんな付き合いをしていますか?

 

なるべく目を向けないようにしたり、避けてしまいがちだったり、恥ずかしさを感じたりしてはいませんか?

 

近年、前向きであること、ポジティブであることが良しとされる風潮があります。

 

もちろん、前向きであることは、良いことだと思うのですが、落とし穴もあります。

 

その一つが、Grief(グリーフ)のやり残しです。

 

日本グリーフ&ビリーブメント学会の定義によると、グリーフとは、

 

「大切な人の死を含め、愛着を抱いていた人物や環境、身体機能などを失う喪失に対する反応の総称」

 

となっています。

 

直訳すると、「深い悲しみ」となります。

 

“When we acknowledge grief, we acknowledge that everything we love, we will lose.”

 

これは、サイコセラピストのFrancis Weller(フランシス・ウェラー)の言葉ですが、

 

私たちが大切なものを失った深い悲しみを受け入れるとき、

 

私たちが愛するものはすべて、

 

いつか失うことになるという事実をも認めるのだと言っています。

 

愛があるからこそグリーフもあるのであって、

 

喪失の深い悲しみがあるということは、

 

その人の人生のなかで誰かや何かを

 

それだけ深く愛した経験があったということでもあります。

 

小さな喪失体験もないがしろにしない

 

家族や友人、恋人といった大事な人を亡くすという大きな喪失体験だけがグリーフではありません。

 

何か新しいことが始まるということは、

 

何かの終わりであり、お別れでもあります。

 

慣れ親しんだ学校を離れる、

 

仕事や職場を離れる、

 

家を離れる、

 

人間関係から離れるのも喪失体験です。

 

また、何かを選択するということは、

 

何か別のものを手に入れる機会を失うことでもあります。

 

人生はこんなにも喪失に溢れているのに、

 

そこに生じる悲しみや胸の痛み、

 

怒りや焦燥感、罪悪感、虚しさや憂鬱な気持ちに

 

私たちは十分な意識を向けているでしょうか。

 

もちろん逆もまた然りで、

 

何かの終わりは何かの始まりでもあるし、

 

何かを失うということは何か得ることの始まりでもあるので、

 

人生は同時に始まりと獲得でも満ちているとも言えます

 

どちらも大事なはずなのに、この始まりの方、ポジティブな側面ばかりフォーカスされ、

 

終わりをちゃんと哀しむこと、

 

失ったものきちんと悲しむこと、

 

グリーフのための時間とスペースを作ることの重要性を忘れがちではないでしょうか。

 

 

 悲しみのための時間とスペースを作っていますか?

 

グリーフのための時間もスペースも、せわしない日常のなかでは、見つけにくいものです。

 

お母さんであれば、泣きたくても、子供や家族を気にして泣けないかも知れません。

 

男性であれば、「男は泣いてはいけない」と思い込んでいる方もいるかも知れません。

 

友人たちの前では、元気で明るく前向きな自分でないといけないと感じる方もいるでしょう。

 

大事なものを失い、大事な人をなくして嘆き哀しんでいると、

 

「早く前を向いて、元気を出して」

 

と言われてしまった経験のある方も少なくないと思います。

 

だからこそ、

 

意識して自分にグリーフのための時間とスペースを作ってあげる必要があります

 

人生のなかで、何かを失うことが避けられないことならば、

 

どうしたら悲しみと「仲良く」なることができるでしょうか。

 

自分の悲しみに意識と関心をむけ、

 

優しさと温かさを持って向き合うことが重要ではないかと思います。

 

悲嘆に暮れる友人のそばに座り、そっと寄り添うように、

 

自分の悲しみのそばに座ってあげることができるかどうか。

 

コミュニティで悲しみを抱える

 

個人では抱えきれないような大きな深い悲しみを抱えた方もいます。

 

時にそうした大きな悲しみは、

 

コミュニティのなかで理解され、共感され、抱えられる必要があります。

 

様々な悲劇や辛い体験をされた方や、その家族のためのグループがあるのはそのためです。

 

私はクリスチャンではありませんが、

 

あるクライエントさんが抱えていた大きな深い悲しみを共有していたとき、

 

たまたま教会を訪れる機会がありました。

 

そのクライエントさんの苦しみについてじっと考えながら、

 

静かな教会のなかの椅子に座って、ふと高い天井を見上げたとき、

 

私ひとりでは抱えきれないそのクライエントさんの苦しみと悲しみが、

 

丸ごとフワッと抱えられたような気がしました。

 

神社やお寺、教会といった場所は、

 

これまで長い歴史のなかで私たちの苦しみに寄り添い、

 

グリーフのための場所として機能してきたのかも知れません。

 

けれど、いまの私たちの社会に、身近なグリーフのためのスペースはあるでしょうか。

 

今の日本はそうした場所を失いつつあるように感じます。

 

どうしたら私たちの社会にそうしたスペースを作っていけるのか。

 

とても大事な課題だと思っています。

 

2018年12月15日 06:00

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