Helix Centre|東京・三鷹市・武蔵野市のカウンセリングルーム

Helix Centreでは三鷹・武蔵野市周辺の18歳以上の方を対象に、臨床経験豊富な女性臨床心理士がカウセリングを行っています。

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カウンセリングって何するところ?

抱える蝶

カウンセリングにおける「見守り」と「抱えられ」体験

 

カウンセリングって、何をするところなのでしょう。

 

もちろん、これには色々な視点と立場によって違った返答があるでしょうし、カウンセリングにおけるステージによっても、また複数ある要素のどの部分にフォーカスするのかによっても違ってきます。

 

なので、何が正解ということはないのですが、自分自身のカウンセリング体験とカウンセラーとしての体験から私が一番しっくり来るのは、カウンセリングとは心の変容のための「容器」である、というイメージです。

 

カウンセラーの温かで価値判断の無い関心と見守りが、安全で守られた時間と空間を作り出し、そうした安全な容器のなかにしっかり抱えられているという感覚は、なかなか他では味わえない独特の感覚です。

 

(実際にカウンセリングの空間をどう感じ、カウンセラーの視線を「暖かく・価値判断が無い」と感じるか、「冷たく・批判的」に感じるかというのは、クライエントさんの背景やカウンセラーとの相性によっても違ってくるので、そう感じるのが普通でそう感じないのはダメということではありません。

 

以前のブログで書いたように、その空間をどう感じ、カウンセラーとの関係をどう体験しているか、ということそのものが、話し合っていけるととても有意義な大事なカウセリングのテーマでもあります。)

 

こうした「見守り」と「抱えられる」という体験だけでも、それが日常で得られていない方にとっては十分に治療的な体験となることもあります。

 

更に、こうした「容器」があることで何が違ってくるかというと、日常生活のなかでは流れていってしまう私たちのなかに生じる考えや感情を深めるための時間がもてるということです。

 

人間関係での傷つきや怒り、何か引っかかる感じがあったり、なにかモヤモヤするけれどそうした気持ちをちゃんと見る時間もないし、とりあえず無視して毎日を送る。

 

辛いことや悲しい別れ・出来事があったけれど、その気持ちを見てしまうと生活できないから、とりあえず心の片隅に押しやっておく。

 

現在の生活にどこか満足できないし、自分の深いところにある欲求や情熱、願いがあるのは感じているけれど、それを掘り下げるのは怖いから気付かないふりをする。

 

自分にちゃんと向き合いたいと思っていらっしゃる方でも、忙しい日常生活ではそんなスペースも時間も無いのが普通ではないかと思います。

 

色々な感情や考えが湧いてきても、それを取りあえず脇において日常生活を送ることが出来るのはその人の強さですし、生きて行くうえで必要なスキルでもあると思います。全ての感情や考えを掘り下げないとならないわけでも無いと思います。

 

けれど、中にはその時々でちゃんと表現する必要があったり、自分で認識してあげる必要のある気持ちや考えというのがあります。

 

カウンセリングという非日常の安全な「容器」があることで、そうしたものに向き合う時間と空間が持てます。

 

未完了の仕事をする

 

逆に、そうした感情に向き合うことが出来ないと、流したつもりでもまるで心にしこりのように残ってしまうこともあれば、よりよい人間関係を築く機会や自己成長・自己実現につながる機会を逃してしまうこともあります。そんなやり残してしまった「仕事」のことを、カウンセリングでは“Unfinished work”「終わっていない仕事」「未完了の仕事」といいます。

 

そうした自分でも気付いていない「未完了」のワークをするのもカウンセリングの一つの目的です。それをするためには、冷えてしまった感情、しこりのように固まってしまった思いを、もう一度「温め」、「柔らかく」するための容れものが必要なのです。

 

50分から1時間のあいだ、ひとりの人間がその人の全感覚を使って自分の話しを聴いてくれるというのは、とてもパワフルな体験です。そこには何かがギュッと凝縮していくような濃密な時間が生まれます。あるいは、地下鉱脈を探って、少しずつ心を掘り下げていくような感覚とも言えるかも知れません。

 

もちろん、クライエントさんが耐えられる程度においてしか掘り下げることはありません。(クライエントさんの状態によっては、お話しを聴いて理解し共感的にサポートするだけの場合もありますし、カウンセリングがサポートにならない状態の方にはカウンセリングを受けることをお勧めしないこともあります。)そのため、5cm掘るのに1セッションで進むこともあれば、心が決壊しないように、数年かけて堀を固めて、ようやく5cm進めることもあるのです。

 

けれど、心のプロセスは成果主義・効率主義に従っているわけではないので、早いほうが良いとか、効率が良い方が良いというわけではないのです。クライエントさんの心にとって必要な時間と、必要なプロセスはみな違います。

 

 

お一人お一人のこころのプロセスに寄り添い、クライエントさんにとってのしっかりした「心の変容のための容器」を提供できるよう自己点検を怠らないようしていきたいと思います。

2018年12月08日 13:43

”ブログは知っている”

ブログを開設しました、と前回書いたのですが、実はこれからどんなことを書いていくのか、あまり見通しがありません。

 

こんな時、ユング派の分析家であり、元型心理学の創始者でもあるジェイムス・ヒルマンが、あるインタビューの中で言っていた言葉を思い出します。

 

ヒルマンは、今日のこのインタビューの中で何が話されるべきなのかを、質問するインタビュアーも自分自身も分からない、けれど、”The interview knows”(インタビューは知っている)、というようなことを言いました。

 

この感覚は、カウンセリングのセッションを行うときに抱く感じと似ています。あるクライエントさんと、あるセッションが始まる時に、そのセッションで「何が起こるべきなのか」を、クライエントさんも知らないし、私にも分かりません。どこに向かっているのかは、セッションがすすむなかで、だんだんと潜在していた大事なテーマがハッキリしてくるのです。(こんなことを言うと無責任で無計画に聞こえるかも知れませんが、そういう訳ではないのです)

 

もちろん、カウセリングのプロセスの各段階で向き合う必要があるとカウンセラーが感じているテーマなどもありますし、クライエントさんの側でもその時々で話したいイベントやテーマを持ってこられることはありますので、そんな時はそうしたものを大事にします。

 

けれど、多くの場合、事前に計画した通りのことは起こりませんし、カウンセラーが理論や頭のなかの「こう進むべき」を考えて、それに従ってしまうと、あまりいいことは起こらないというのが実感です。もちろん、経験知や知識・理論もとても重要で、知識や経験からの仮説を立て、それを頭の片隅にもちつつも、それよりも大事にすることがあるということなのです。

 

では、何を大事にするかというと、クライエントさんの話し、セッションの中で時折出てくる深いところからの微かなサインです。それは、身体感覚として現れるときもあれば、イメージ・シンボルといった形で現れることもあります。

 

クライエントさんは、「今日は違う話しをするつもりで来たのに、まさかこんな話しになるなんて思いもしなかった」と驚かれますが、もちろんそれは私が誘導したわけでもなく、慎重にそのセッションの中に存在しているそうした微かなサインを辿っていくと、思いがけない場所に辿り着くのです。

 

それはまさに「何が起こるべきなのか、セッションは知っている」という感じであり、それに対する信頼を持ち、そのサインに耳を傾ける姿勢を持つことが重要だと思っています。これは、別の言い方をすると、「サイキ(魂)への信頼」と言えるかも知れません。

 

アインシュタインの名言に「いかなる問題も、それを作り出した同じ意識によって解決することはできない」という言葉がありますが、これは心にも当てはまることではないかと思います。

 

ではいまの自分の意識から、より深い意識にどうアクセスするか。その鍵となるのが、この魂への信頼です。

 

ユングは、私たちの中にサイキ(魂)があるのではなく、私たちが魂の中にあるのだ、と表現しました。このサイキは、別の言葉で言うとアニマ・ムンディ(世界魂)です。私たちは、大いなる魂のうちに存在しているのです。

 

自分の小さな知識に頼るのではなく、より大いなる叡智に耳を傾けることの重要性は、恐らく多くのプロフェッショナルが実感していることではないでしょうか。

 

知り合いのロルファー(ボディーワークの一種です)の方は、手をクライエントの筋肉の上に置いたときに、施術者である自分がどちらに動かしたいかではなく、その人の筋肉がどこに動きたがっているのかを感じ取って、その方向に進めるようにちょっとだけサポートすることが自分の役割だとおっしゃっていました。そこには身体知というより大きな叡智への信頼があります。

 

カウンセラーの役割も似ているところがあります。その人の心の深いところ、つまりその人のたましいが、どこへ向かおうとしているのかを、全身を耳にして必死に聴き取り、少しだけそれをサポートする。それは、簡単なことではありませんが、そんな風に深いところでクライエントさんと対話ができることを願いながら、精進する日々です。

 

そんな訳で、これからこのブログで何を書く必要があるのか、“The blog knows”(ブログは知っている)の感覚のなかでやっていこうと思います。

2018年12月04日 16:43

カウンセラーがブログを書くということ

ブログを開設することになりました。

 

これを読んで下さる方のなかには、これからカウンセリングを受けようと考えていらっしゃる方がいるかも知れません。

 

想像できないもの、イメージできないものって、怖いですよね。分からないからこそ飛び込めることもありますが、少しでもイメージできると安心して進めることの方が多いのではないかと思います。

 

そして、多くの方にとってカウンセリングは未知の世界ではないかと思います。そんな方のために、少しでもカウンセリングの雰囲気、カウンセラーの視点などが伝われば幸いです。

 

一方、ブログを書くことには今も躊躇があります。自分のこの躊躇する気持ちが何処から来るのかをみてみると、カウンセラーの自己開示にかかわる懸念から生じているのが分かります。

 

私は精神分析医ではありませんが、精神分析の創始者フロイトは「匿名性の原則」を唱えていました。

 

それは、「分析家とはクライエントの心を映し出す鏡のような透明な存在であるべきで、分析家のプライベートな情報や私的な見解をクライエントに伝えるのは控えるべきである」、という考えです。

 

こうした古典的理論は議論がすすみ変わってきてはいますが、やはり原則的には、カウンセラーの自己開示はクライエントにとって役に立つ限りにおいて必要最小限にとどめる方が良いと個人的には思っています。

 

自分自身のカウンセリング体験を振り返っても、カウンセラーの個人的情報・背景について何も知らない時と、知ってしまった後では、話す内容が微妙に変わってしまった経験があります。知ってしまうと遠慮して言えなくなること、知らないから言えることがあることを実感しました。

 

(そこには、私自身の対人関係のパターンが現れていて、そうした「言い辛さ」を話し合っていければ、それはとても有意義なものになるのですが、「言い辛い」ということが言えるような信頼関係を築くまでには時間がかかります。)

 

ちなみに、こうしたクライエントとカウンセラーの間に生じる感情は、カウンセリングにおいてとても大事なもので、私自身も、こうした微妙な感情を、適切なタイミングで丁寧に取り上げていくことを心がけています。もちろん見逃してしまうこともあるのですが、鍵となる大事な感情は何度でも現れてくるものです。

 

一方で、様々なカウンセリングのアプローチがあるなかで、自分はどんな立場に立っているのか、どんな人間観、世界観をもちカウンセリングを行っているのかということを明らかにしていくのは、カウンセラーの側の課題であるとも思っています。

 

そんなわけで、このブログでは自己開示については慎重に、カウンセリングや心理学、ホリスティックヘルス、スピリチュアリティにまつわることを、のんびりと綴っていきたいと思っています。

 

これから、どうぞ宜しくお願い致します。

 

2018年12月01日 00:00

東京・三鷹・武蔵野市のホリスティックヘルス・カウンセリングルーム Helix Centre

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